狂えるの茶屋

スター・ウォーズ 正史、レジェンズを布教するためのサイトです。相当なオタク向けです。TwitterやYouTubeなどに上げている動画や布教資料の補足ガイドとしておつかいください

【シスの歴史 第九話】ダース・ナイアリスって誰なのさ

第九話です。時系列的には前回のスカージの部分より前になります。

f:id:kreel:20220727205359j:image

ダース・ナイアリス(Darth Nihilus)

レヴァンとマラックの帝国が崩壊したしばらく後、散り散りになった者たちをまとめたのはダース・トレイア(クレイア)ダース・サイオン、ダース・ナイアリスが構成するシスの三頭政治だった。

f:id:kreel:20220727205901j:image

左ダース・ナイアリス、中央ダース・サイオン、右ダース・トレイア(クレイア)

シスとして完成された強さを持つ彼らは、ジェダイの粛清を行いオーダーを解散させ、地下に潜ったジェダイたちを次々と殺していった。ミートラ・サリックが現れなければ、ここから先は永年シスの世になっていた言っても過言ではないほどに、圧倒的な強さを誇っていた。

シスの三頭政治誕生の原因は、レヴァンとミートラ・サリックが作り出した。彼らがマンダロリアン戦争の終盤、マラコアⅤで起動したマス・シャドウ・ジェネレーターのたった1人の生存者、のちのダース・ナイアリスは、全てに絶望して暗黒面の道を甘んじて受け入れた。

f:id:kreel:20220727210519j:image

あの者にとってシスやシスの教え、ジェダイというものですらどうでもいいのだろう。ジェダイが死に絶えれば、共和国を喰い、銀河を喰い、最終的にはシスさえ喰ってしまうんだろうよ

──クレイア

フォースに対する終わりなき飢えを満たすため、進むべき道を示してくれたダース・トレイア(レヴァンのジェダイ時代のマスター)のもとで、ナイアリスはシスの暗黒卿ロード・オブ・ハンガーとしての地位を確立した。やがてサイオンとナイアリスはジェダイを完全に滅ぼすべきかという意見の相違でトレイアと対立し、彼女をシスから追放してフォースとの繋がりを断ち切り、ジェダイ粛清を開始した。ダース・サイオンによってジェダイはほとんど滅ぼされ、生き残りは地下へ潜った。

f:id:kreel:20220727214627j:image

アトリス

ジェダイ・アカデミーの女校長アトリスの取り計らいで生き残りのジェダイが集まった惑星カターのミラルカ種族植民地では、ナイアリスをおびき出して殺すためにアトリスはわざと集会の情報をシスに流した。ナイアリスは空腹を満たすためにザー・レスティン、ヴァンダー・トカレなど高名なジェダイ・マスターを含めたカター上の生物を全滅させた。しかし、アトリス自身はカターの集会には出席していなかった。

f:id:kreel:20220727211659j:image

その後、ナイアリスがカターの地表を歩いていると、負傷した唯一の生存者、ミラルカのヴィサス・マーを発見した。ナイアリスはマーに弟子、シャドウハンドとして訓練を施し、互いを強力なフォースの絆で結んだ。(かつてレヴァンとバスティラもフォースの絆を結んでいた)

f:id:kreel:20220727215053j:image

ヴィサス・マー

フォースの乱れが...その原因は私がここへ連れて来ましょう。すぐに出発します、閣下。

──ヴィサス・マー

ナイアリスは日に日に強大化するミートラ・サリックの脅威を感じ取り、ヴィサス・マーにミートラ討伐を命じた。ミートラは追放されたダース・トレイア(クレイア)によって暗黒面の訓練を受け、もはやかつてのオーダー以上の力を持っていた。クレイアにとっても、今やシスは復讐対象でしかなかった。

f:id:kreel:20220727214941j:image

ミートラ・サリック

当然、ミートラはシスの弟子程度が敵う相手ではなかった。彼女はマーにナイアリスの目指すヴィジョンの愚かさを説き、心を揺さぶって味方につけた。

その間ナイアリスは、フリードン・ナッドの墓があるオンダロンの衛星ディクサンでの共和国からの分離主義運動に加担したが、それはディクサンに秘密裏に潜伏していたマンダロア・ザ・プリザーバー(カンデラス・オルド)率いるマンダロリアンとの対立を招くこととなった。

f:id:kreel:20220727215254j:image

カンデラス・オルド

ミートラは分離主義運動の指導者ヴァクルを処刑して事をおさめ、転身したヴィサス・マーやカンデラスと共にナイアリスの旗艦に乗り込んだ。ナイアリスは、ライトセーバーの腕前はそれほどでも無かったが、ミートラを驚かせたのはそのフォースの獰猛さだった。しかしナイアリスの決戦兵器でもあるフォース・ドレインはミートラによって無効化され、マーはトランス状態に入ることでフォースの絆を利用し暗黒卿の力を弱めた。

f:id:kreel:20220727215126p:image

ダース・ナイアリスは敗北し、旗艦で命を落としたが、精神は生きながらえ何千年も先にダース・クレイトと交信した。

 

おまけ 時系列

f:id:kreel:20220805141242j:image

 

→第十話に続く

【シスの歴史 第八話】ダース・レヴァンって誰なのさ

前回のヴィシエイトと同様、レヴァンも長い(というか次レヴァンが出てくるまでに何百年分か挟む)ので何回かに分けます。

f:id:kreel:20220726234043j:image

ダース・レヴァン(Darth Revan)by SPIRITS96

レヴァンはその生涯で多くの偉業をなし得た。ジェダイとしてマンダロリアン戦争終結させ、シスとして皇帝に仕え、ダース・レヴァンとして新たな帝国を作りジェダイ内戦を引き起こし、霊体としてジェダイやシスと共に皇帝を滅ぼした。また永く生きれば生きただけ、さまざまな名前もあった。レヴァンレヴァンチストダース・レヴァン放蕩の騎士、あるいは虐殺者レヴァンと軽蔑されることもあった。英雄レヴァンである前に、彼の物語は初めは一人のジェダイであったことから始まった。

f:id:kreel:20220726234905j:image

評議会と対立するレヴァン

若い頃のレヴァンについて分かっていることは少ないが、クレイアによると、最初にレヴァンを訓練したのは彼女だったようだ。学ぶべき事が尽きると次々とマスターを変えて底知れぬフォースの知識を学んだ。

f:id:kreel:20220726235326j:image

ある日、マンダロリアンの戦士団(マンダロリアン・ネオ=クルセイダー)が共和国領に侵攻、マンダロリアン戦争の火蓋が切って落とされた。ジェダイ評議会は介入しない方針をとり、それに異を唱えたレヴァンと友人アレック(マラック)とその仲間たち、クレイアや後のダース・ナイアリスジェダイ評議会を無視して参戦した。

f:id:kreel:20220727092119j:image

あなたの名前はわからないが、大義は受け継ごう。マンダロリアンを一掃するまで、正義が為されるまでこのマスクは外さない

──レヴァン

レヴァンは、大量虐殺など不要だと訴えてカサス・フェットの軌道爆撃で殺されたあるマンダロリアンの意志とマスクを受け継ぎ、全てのマンダロリアンの残虐行為が裁判にかけられるまでマスクをつけ続けることを誓った。

f:id:kreel:20220727093007j:image

マンダロリアン戦争におけるレヴァンとその支持者たちは、銀河全域に知れ渡る英雄となり、しだいにジェダイ評議会の理解も深まっていった。レヴァンは正式に共和国軍に加わり、最高議長の命により軍の3分の1が彼の軍団となった。

マンダロア自身(=マンダロア・ジ・アルティメット)でさえ、レヴァンの凶暴さ、粘り強さ、そして繊細さに驚かされた。

──マンダロリアンカンデラス・オルド

レヴァンとマラックは勝利のために犠牲を無視し始め(マンダロリアン1人が死ねば共和国兵士が10人死んでいた)、冷たく計算的なリーダーシップはマンダロリアンの残忍で容赦のないそれと酷似していた。

より確実な勝利を手にするためにマラコアⅤで暗黒面を学んだ2人だったが、ジェダイの道を捨てることはなかった。

f:id:kreel:20220727093435j:image

ジュアニ

惑星タリス奪還作戦ではジュアニなどの奴隷たちを解放し、ジェダイの司令官ミートラ・サリックと共に戦った。

f:id:kreel:20220727094252j:image

やつらは我々を騙した。我々がこの戦争に勝てるはずなどなかったのだ。やつらは私と我が民を使って共和国の強さを試しただけだった。

──マンダロア・ジ・アルティメット

誰がこんなことを?

──レヴァン

...シス。

──マンダロア・ジ・アルティメット

戦争終盤、レヴァンはマンダロリアンを率いていたマンダロア・ジ・アルティメットとの決闘に臨み、激闘の末に破った。しかし、死にかけているマンダロアが語ったのは、共和国がハイパースペース大戦で根絶やしにしたはずの悪魔の民族の名前だった。

f:id:kreel:20220727095254j:image

マラコアⅤの残骸

マンダロリアンとの決戦はマラコアⅤで行われた。レヴァンとミートラ・サリックは超兵器マス・シャドウ・ジェネレーターを起動して味方の艦隊ごとマンダロリアン艦隊を惑星の地殻に衝突させ核まで破壊した。この戦いではのちのダース・ナイアリスが惨劇に絶望し、暗黒面の道を歩み始めることとなった。

生き残ったマンダロリアンは共和国の無条件降伏通告を受け入れ、戦争は終結した。

f:id:kreel:20220727095847j:image

バジリスク・ウォー・ドロイド

マンダロリアンは武器とアーマーを没収され、戦争に使われたバジリスク・ウォー・ドロイドは解体された。戦士たちは賞金稼ぎや傭兵に成り下がった。レヴァンはマラコアの荒廃を繰り返さないために暗殺用ドロイドHK-47を作成した。

f:id:kreel:20220727100149j:image

マンダロアの遺言のシスを調査するために、レヴァンとマラックは未知領域を探索し、ドロマンド・カスと再建されたシス帝国を発見した。彼らは果敢にもヴィシエイトに立ち向かったが、すぐに洗脳を受けダース・レヴァンダース・マラックとして共和国に送り返された。

f:id:kreel:20220727100722j:image

しかしすぐに皇帝の支配を解き、レヴァンはマラックのマスターとなって新たなシス帝国の樹立を宣言した。依然ヴィシエイトの脅威を理解していた2人は共和国とジェダイ・オーダーを自らの帝国に吸収して再建シス帝国との戦いに備えるためジェダイ内戦を引き起こした。レヴァンはラカタの無限帝国の遺物スター・フォージを使って無尽蔵に戦艦、戦闘機、武器を作り出した。レヴァンの戦略は、ジェダイの選別だった。無造作にジェダイを捕らえ、暗黒面に誘惑し、屈さなかった者たちは容赦なく斬り殺した。

f:id:kreel:20220727101539j:image

耐えかねたジェダイ・オーダーは、レヴァンに罠をしかけ、戦闘瞑想を得意とするバスティラ・シャン率いるジェダイの機動部隊がレヴァンの旗艦に乗り込んだ。これを好機と捉えたマラックは、レヴァンの戦艦を砲撃してシス・マスターの座を奪った。バスティラは間一髪でレヴァンを救い出し、ジェダイ評議会に連れていった。評議会はレヴァンの記憶を消去し、いち共和国兵士としての役割を与えた。

生まれ変わったレヴァンは、〈エンダー・スパイア〉の中で目を覚ました。

f:id:kreel:20220727140615j:image

共和国兵士として生まれ変わったレヴァン

〈エンダー・スパイア〉はダース・マラックの艦隊の攻撃を受けた。レヴァンは共和国司令官カース・オナシと共にバスティラを救出するためにマラックの弟子、ダース・バンドンから逃げ延び、シス領域の惑星タリスに不時着した。タリスでバスティラと合流した2人は、〈エボンホーク〉で脱出しダントゥインに向かった。

f:id:kreel:20220727142224j:image

ダントゥインに到着するエボンホーク

レヴァンが死んだと確信できるのですか?この者を再び訓練し、暗黒卿が戻って来るとしたら?

──ルーク・ラマー

レヴァンが記憶を取り戻すために寺院に行き、3つのテストをクリアしてジェダイの訓練を開始した。レヴァンがもともとシスであることを知っていた者たちは、再び暗黒面に転身することを危ぶんだ。

f:id:kreel:20220727145220j:image

かつての自分から逃げ続けることはできんぞ、レヴァン!お前はシスの暗黒卿...マスターだったのだ。だが、その地位も今や私のものだ。

──ダース・マラック

バスティラ、ミッション・ヴァオやザルバーなどの新しい仲間とともにHK-47を取り戻したレヴァンは、宿敵マラックと戦った。しかしマラックはレヴァンがもともと自分と同じシスであった事を明かし、動揺するレヴァンを横目にバスティラを捕獲した。再び出会った時、バスティラは暗黒面に堕ちていた。

f:id:kreel:20220727143023p:image

私のことを愛してるって?今言うべきじゃないでしょ。でも私もあなたを愛してる。心から...

──バスティラ・シャン

レヴァンはバスティラを説得して暗黒面から引き剥がし、愛を伝えた。彼女はそれに応え、マラックとの再戦に臨んだ。

f:id:kreel:20220727143803j:image

勝者が、銀河の運命を決めるのだ。

──ダース・マラック

マラックは拷問したジェダイからエネルギーを奪って自らの力とし、レヴァンを苦しめたが、勝てなかった。レヴァンは死にゆくマラックに暗黒面に誘ったことを謝罪し、〈エボンホーク〉に帰還した。

f:id:kreel:20220727145138j:image

レヴァンは過去のヴィシエイトとシス帝国の脅威を忘れたわけではなかった。彼はバスティラと子供を残して〈エボンホーク〉で未知領域への旅路に着いた。

──この先は本シリーズ第九話〜第十一話の後の物語です。──

 

f:id:kreel:20220727160259j:image

ダース・ナイリス(Darth Nyriss)

あんたのパートナーはどうなったんだ?マラックだったか?

私はあいつを殺した。

なぜだ?

複雑なのさ。

──スカージとレヴァン

レヴァンは皇帝の計画を止めようと画策するダース・ナイリスに捕らえられた。レヴァンはナイリスと行動を共にしていたスカージを仲間にしてナイリスを殺し、ジェダイを追放されたミートラ・サリックと合流して帝国の本拠地ドロマンド・カスへ向かった。

f:id:kreel:20220727160532j:image

スカージ(Scourge)

貴様には期待していたのだが。

──シス皇帝

我々3人を倒すことなどできん。我々は貴様より強い。

──スカージ

スカージやミートラと共に、レヴァンは王座の間に辿り着いた。この世代で最も強い者たちが集まったものの、彼らの力は皇帝には及ばなかった。

f:id:kreel:20220727162706p:image

ヴィジョンに登場したタイソンの英雄

不意にスカージの脳内にあるヴィジョンが現れた。それは若く聡明で、強力なジェダイが皇帝を倒すというものだった。その若者はレヴァンでもミートラでもなかった。スカージはその若者に賭け、不意に2人を裏切ってミートラを背後から刺し殺した。呆然とするレヴァンを、皇帝はライトニングで屈服させ、終わりなき監獄に閉じ込めた。スカージは皇帝に忠誠を近い不死の存在となり、その後の数百年で彼は"皇帝の怒り"として100名以上のジェダイを処刑し、その10倍のシスを処刑した。レヴァンはタイソンの英雄によって解放されるまで閉じ込められることとなった。

 

→第九話に続く

【シスの歴史 第七話】ヴィシエイトって誰なのさ

スター・ウォーズ史上最強のキャラ、ヴィシエイトのお話です。ヴィシエイトに関しては何回か分けて出します。

f:id:kreel:20220726134951j:image

Tenebrae──Vitiate──Valcorion

テネブレイ──ヴィシエイト──ヴァルコリオン──様々な言い方は彼が本名か、シスの暗黒卿もとい真のシス皇帝か、あるいは永遠帝国の皇帝、ザクールの支配者か──によって使い分けられる。

テネブレイが13歳の時、彼は全てのシスの主であり、評議会の統治者たるマルカ・ラグノスにその身を捧げた。若者の野心と力に感銘を受けたラグノスは、彼にヴィシエイト卿の称号を与えた。

──ダース・ナイリス

テネブレイは僅か6歳にして両親を拷問して殺し、その後数千人を虐殺する儀式でほぼ不死の存在となり、母星メドリアスを支配するまでに至った。彼はメドリアスをナゼマと改名し、その後に起こるナガ・サドウとルド・クレシュの争いをそこから見守った。

f:id:kreel:20220726140626j:image

ドロマンド・カースに到着したシスたち

ハイパースペース大戦でナガ・サドウが敗北した後、散り散りになったシスをまとめて惑星ドロマンド・カスに到着した暗黒卿ダース・ヴィシエイトは、そこで皇帝として新たなシスの帝国を作り始めた。皇帝、とは言っても実質的な支配はダーク・カウンシルのメンバーたちが行う割と民主的な政治が採られた。その間ヴィシエイトは暗黒面の研究に没頭した。

f:id:kreel:20220726140801p:image

再建シス帝国の創設時、ヴィシエイトは共和国への復讐を約束していたが、時間の経過とともにその目標は帝国の人々の中から薄れていった。しかし、ヴィシエイトは復讐を超えた理由で共和国への侵略を計画していた。彼は皇帝としての研究の中で、かつてナゼマで行った儀式を銀河規模で行うために共和国の侵略が必要であるとの結論に至った。ダーク・カウンシルの中にはダース・ナイリスやダース・ゼドリックスのように、帝国と銀河を皇帝の手から救うための陰謀を企む者もいた。

f:id:kreel:20220726141848j:image

共和国弱体化の第一段階は、マンダロリアン戦争だった。ヴィシエイトはシスの使いをマンダロアに送り、首尾よくマンダロリアンが共和国に戦争を仕掛けるように画策した。完璧にシスに乗せられたマンダロリアンは、共和国と地獄の戦争を開始した。共和国は英雄レヴァンが現れるまでは敗戦が続いた。

 

→第八話に続く

【シスの歴史 第六話】エグザ・キューンって誰なのさ

第六話、エグザ・キューンです

f:id:kreel:20220726124039j:image

エグザ・キューン(Exar Kun)

ウリックとキューンは様々な点で似ていた。どちらも自分が暗黒面への免疫を持つと信じて疑わなかったが、キューンの方がより傲慢だった。彼はヴォド=シオスク・バスのもとで学び、しだいにダークサイドの底知れぬ知識を求め始め、フリードン・ナッドを研究するためにオンダロンへ赴いた。

f:id:kreel:20220726130234j:image

エグザ・キューン。オンダロンでは歓迎できんな

──アーカ・ジェス

そうか。俺はジェダイの騎士で、自由に出入りできる。俺の研究にあんたの助けは必要ない。

──エグザ・キューン

フリードン・ナッドの墓で暗黒面の力に触れてしまったキューンは惑星コリバンの暗黒卿の谷でさらに答えを探った。

f:id:kreel:20220726125333j:image

ナッドの霊体は神殿を崩壊させてキューンを押し潰し、彼は暗黒面に身を委ねるしかなかった。瞬く間にキューンの折れた骨は再生し、力が漲った。暗黒面を受け入れるまでのキューンの叫び声は、遠く離れたデネバでクラースに対する会議を開いていたジェダイですら感じることができた。ヤヴィンⅣではキューンがシスとしての最後の訓練を完成させた。シス・ワームから自分の命を救ってくれなかったナッドの霊体を完全に滅ぼし、ナガ・サドウのマサッシたちを奴隷にしてヤヴィンⅣを支配した。

f:id:kreel:20220726125606j:image

キューンにとって、ヤヴィンを支配するだけでは不十分だった。彼はシスの暗黒卿となるためにエンプレス・テタの秘密結社クラースを攻撃した。クラースでは既に司令官サタールが殺され、その地位はウリック・ケル=ドローマによって奪われていた。キューンはすぐにウリックを見つけ、壮絶な決闘が繰り広げられた。

f:id:kreel:20220726130250j:image

そこに現れ、決闘を仲裁したのは伝説のシス、マルカ・ラグノスだった。

エグザ・キューン、お前のおかげでシスが絶えることはないだろう。お前はシスの暗黒卿に値する。

──マルカ・ラグノス

f:id:kreel:20220726130517j:image

キューンとウリックは共に銀河を破壊することを誓い、マサッシの戦士団とクラースはひとつになった。来るべきジェダイとの戦争に備え、手始めにキューンはオッサスのジェダイ図書館でオダン=ウーアを殺してホロクロンを奪い、他のジェダイを洗脳して味方につけた。その間ウリックはマンダロリアンに力を証明して同盟を結び、コルサントに攻撃を仕掛けたものの失敗に終わった。

捕らえられたウリックの処分が話し合われているその時に、元老院ビルにエグザ・キューンが乗り込んだ。

f:id:kreel:20220726131036j:image

不思議な木の杖でキューンと戦うマスター・ヴォド

これで終わりではないぞ、エグザ・キューン。我々は再び戦い、そして私はお前を打ち負かす。

──ヴォド=シオスク・バス

暗黒面の力を持ってしても、エグザ・キューンはヴォド=シオスク・バスには及ばなかった。実際かつてヴォドは木の杖1本でキューンを倒したことがあった。しかし、キューンはヴォドを倒すために開発した双刃のライトセーバーでかつてのマスターを追い詰め、斬り殺した。

f:id:kreel:20220726131725j:image

ウード・ブナーは、木に変身してキューンから古代のライトセーバーを守り続けた

ヴォドを皮切りに次々とジェダイを殺していったキューンだったが、シスの同盟など長続きするはずも無かった。実際にマンダロリアンが忠誠を誓ったのはウリックであってキューンではなかったし、クラースのアリーマものうのうとキューンに従ってくれる都合のいい駒でもなかった。

f:id:kreel:20220726132438j:image

ケイ・ケル=ドローマの最期

さらに戦争中に弟ケイを殺してしまった罪悪感から暗黒面を放棄したウリックがキューンを裏切り、彼の居場所をジェダイに教えたことで戦況はジェダイに傾いた。共和国はキューンをヤヴィンⅣに追い込み、自らの死を悟ったキューンは配下の軍の命を奪って不滅の存在となった。

f:id:kreel:20220726133239j:image

ノーミ・サンライダーに率いられたジェダイはキューンを寺院に封じ込め、戦いは共和国の勝利に終わったが、銀河は荒廃した。一連の戦争はシス大戦と呼ばれるようになる。

f:id:kreel:20220726133116j:image

ウリックの惑星レン・ヴァーでの贖罪

ウリックはその後、ヴィマ・サンライダーを訓練したのち、仲間と家族から許され贖罪を果たしてフォースとひとつになり、キューンはルーク・スカイウォーカーのオーダーとマスター・ヴォドが完全に滅ぼすまではヤヴィンに眠ることとなった。

ドロマンド・カスに逃れた真のシス皇帝がエグザ・キューンと同調していなかったのは特に興味深いことだ。

──後世の歴史家、ノスト=デュラル

→第七話に続く

【シスの歴史 第五話】ウリック・ケル=ドローマって誰なのさ

第五話、ウリックのお話です。第四話から読まないとたぶん分かりません。

f:id:kreel:20220726113806j:image

ウリック・ケル=ドローマ(Ulic Qel-Droma)

アリーマとサタールが設立した秘密結社クラースは暗黒面の魔術を研究するだけに留まらず、しだいに暴走してエンプレス・テタ星系を支配するまでに至った。

f:id:kreel:20220726114733j:image

クラースは、大きな悪意をもってダークサイドを解き放ったようだ。

──ウリックのマスター、アーカ・ジェス

最高峰のジェダイがクラースへの対応を協議するために惑星デネバに集まった。この事を察知したクラースの司令官サタール・キートは、大量のウォー・ドロイドをデネバに派遣してジェダイの弱体化を狙ったものの、ジェダイは優れた防御策でドロイドの侵攻を食い止めた。しかしこの戦いでウリックのマスター、アーカ・ジェスが自分を守るために敵の凶弾に倒れてしまった。

f:id:kreel:20220726115032j:image

俺はマスター・アーカのために...全てのジェダイのために...そして共和国のために...俺は...フォースのダークサイドを征服してやる!

──ウリック・ケル=ドローマ

クラースへの復讐に燃えるウリックは、クラースに潜入して内部から崩壊させることを誓い、そのために暗黒面を征服できるとすら思っていた。

f:id:kreel:20220726120621j:image

出発前にケイ・ケル=ドローマを抱きしめるウリック

ウリックは自身を引き留める弟のケイ、恋人のノーミ・サンライダーをも聞き入れずにエンプレス・テタに向かった。そこで彼はサタールを殺し、次の狙いをアリーマに定めた。その時、ジェダイの機動部隊がエンプレス・テタに現れた。

f:id:kreel:20220726120937j:image

だが...俺はもっと知る必要があるんだ。もっと時間が。俺を探しに来ないように言ってくれ。ダークサイドについて知るべきことを全て学んだら、オッサスに戻るよ。わかってくれ、サタールとアリーマの力は滅ぼさなくてはいけない。マスター・アーカのためにもね

──ウリックのノーミ・サンライダーへのメッセージ

ケイは再び一緒に帰るよう説得したが、ウリックは任務を遂行しているだけだとしてはねつけ、放っておくように言っただけだった。しかしジェダイたちは臆することなくウリックへの説得を続け、怒りに駆られたウリックはシスの力を使ってジェダイを襲った。ノーミ・サンライダーはお互いに戦いを止めるように命じ、ウリックがクラースを滅ぼすことを信じてジェダイを連れて撤退した。

その直後、あるジェダイが部屋に現れた。

彼の名前はエグザ・キューン...

 

→第六話に続く

 

【ジェダイの歴史 第一話】ソー・ヨアー来訪とジダイ・オーダー

f:id:kreel:20220725230917j:image

デス・スター破壊の36,453年前のある日、惑星タイソンに9隻の宇宙船が到着した。この時に宇宙船はフォース感応者と呼ばれる者たちを運んできたとされている...

f:id:kreel:20220725231227p:image

銀河中の生物はソー・ヨアーの到着をフォースで感じ取った。

(特に現実世界では)しばしばBBYと同じようにTYA(Tho Yor Arrival)という日付システムが使われることもある。

f:id:kreel:20220725233300p:image

タイソンの入植者たちは、世代を重ねてフォースにバランスの哲学を見出し、それを探求するジダイ・オーダー(Je'daii Order)を設立した。

彼らは周りの世界を観察し、ひとつの空にふたつの月(アシュラとボーガン)を見て、それぞれをフォースのライトサイド、ダークサイドだと理解した。(中略)そのバランスが保たれなかった時、タイソンは激しい嵐と地震に襲われた。(中略)入植者たちはダイ・ベンドゥ語で「神秘的な中心」を意味するジダイとなった。バランスの調和を通してのみ、ジダイは平穏の世界を維持できたのだ。

──ジダイ・マスター、ケトゥ

ジダイ・オーダーの最高ランクにあたる寺院の指導者(テンプル・マスター)たちはフォースの真に理解した9名のジダイによって構成され、彼らはタイソンの大聖堂の管理者であると同時にジダイ評議会の指導者であった。

f:id:kreel:20220725234308j:image

ソー・ヨアー到着の少し前、ラカタが現れた。彼らは銀河中を支配し、他の種族を次々と隷属させていった。ジダイがタイソンに聖堂を建てる頃には、ラカタが築き上げた大帝国は文字通り無限帝国となっていた。

ラカタとその亜種フレッシュ・レイダーはタイソンに古代文明の遺物を狙ってジダイと争ったが、ジダイはラカタを追い返した。その時置き去りにされたフレッシュ・レイダーは、1万年の後にタイソンの英雄と戦うことになる。

戦争で効果的な武器の必要に迫られたジダイは、フォースセーバーを生み出した。

しかし、この時の戦争はのちのジェダイとシスの対立の火種となってしまった。

 

→第二話に続く

【シスの歴史 第四話】フリードン・ナッドって誰なのさ

第四話、フリードン・ナッドとビースト大戦です。(表記はファクトファイルに準拠、全史だと野獣戦争)

f:id:kreel:20220721080114j:image

フリードン・ナッド(Freedon Nadd)

将来を期待されたジェダイの若者は、ナイトへの昇格試験に失敗した腹いせにマスターを殺し、暗黒面の道を歩み始めた。ナッドは古のシス卿ダース・ナガ・サドウの霊体のもとで学び、師をも超える力を手にするとサドウの霊を滅ぼして暗黒卿を自称した。

ナッドは未知の星系を探索し、暗黒面で支配できる惑星を見つけ出した。その惑星は...オンダロンと呼ばれていた。

──後世のジェダイ、ヴォド=シオスク・バスのホロクロン

フリードン・ナッドの功績は、多くが彼の治世ではなく死後にあると言える。生前ナッドはオンダロンを統治し、人々を締め付け、反乱者たちを危険な森へ追放した。追放された者たちは結束してナッドに対する抵抗組織を作り上げた。

f:id:kreel:20220721080121j:image

ナッドの死後、彼を信奉していたナッド教徒たちは抵抗組織"ビースト・ライダー"と泥沼の内戦を引き起こした。通称「ビースト大戦」はナッドの霊がオミン王にとりつき、さらに当初は介入しなかった共和国とジェダイが参戦したことで激化した。

f:id:kreel:20220721081359j:image

ダークサイドがこの街を覆い続ける理由が分かった。オミン王はシスの魔術を使っている──貴様から学んだな

──アーカ・ジェス

ジェダイアーカ・ジェスウリック・ケル=ドローマはオンダロンを治めるアマノア女王の正体(ナッド教徒)を暴き、最終的に援軍のジェダイがオンダロンの闇を浄化して戦争を終わらせた。

ナッドと彼の信者たちは敗北したものの、ナッド自身はいくつか置き土産を残していった。

f:id:kreel:20220721083013j:image

ウリックを誑かすナッド

アーリマとサタールという若者に暗黒面の知識を授け、ウリック・ケル=ドローマにはシス卿としての運命を告げた。

ナッドに魅せられたアリーマとサタールはのちに暗黒面の秘密結社「クラース」を創設し、暗黒面に堕ちたウリックやエグザ・キューンとともに銀河を荒廃させることになるのだった...

 

→第五話に続く