【シスの歴史 第三話】ナガ・サドウって誰なのさ
第三話、ナガ・サドウとルド・クレシュ、ハイパースペース大戦のお話です。
ナガ・サドウ(Naga Sadow)
アジャンタ・ポールたち追放者が築きあげた帝国は二千年にわたり繁栄し、子孫たちはシス種族と交配を進めた。ジェダイとシスはお互いを忘れ去り(追放者のレムラス・ドレイパが一度ジェダイに戦争をしかけていた)、暗黒卿マルカ・ラグノスによってシスの黄金時代が始まった。
ラグノスが死ぬと、その座を狙って暗黒卿ナガ・サドウとルド・クレシュが対立したものの、帝国の支配はシス評議会が行うようになった。
2人の対立はラグノスの葬式でピークを迎え、ついには決闘を初めてしまった。葬式を邪魔されたラグノスの霊体は2人の喧嘩を仲裁しようとしたが、その直後に宇宙戦〈スターブレイカー12〉が惑星コリバンに降り立った。
共和国領出身、ハイパースペース探検家のダラゴン兄妹は、借金返済のために新たなハイパー航路を見つけ出す必要があった。親友のアールバ・ザ・ハットの助けだけではどうにもならなかったのである。
ダラゴン兄妹を救出するナガ・サドウ
しかしコリバンに到着してすぐ、兄妹はシスに捕らえられてしまった。永らく共和国の存在を忘れていた帝国はパニックになり、ルド・クレシュは評議会を介して彼らに即刻処刑を言い渡した。ナガ・サドウは評議会の決定を無視して帝国領ジオストに監禁されていた彼らを救出し、迷い込んだ兄妹を上手く利用して共和国への戦争をしかけようと目論んだ。狡猾なシス卿は兄のゲイヴを自らの弟子として訓練を施し、妹のジョリには発信機を着けた船でわざと共和国への逃走を許した。
エンプレス・テタ(Empress Teta)
ジョリは共和国にシスの脅威を訴えたが、彼女に聞く耳を持とうとする者はほとんどいなかった。その中で惑星コロス・メジャー(後のエンプレス・テタ)の女帝テタとオダン=ウーアなど一部のジェダイはジョリを信じ、来るべき戦いの準備を始めた。
その頃コリバンでは、サドウが宿敵クレシュを殺してシス帝国に共和国への先制攻撃を訴えていた。
サドウの軍は迅速に共和国領へ侵入した。備えが十分ではなかった共和国は次々に敗北したが、ジェダイの本格的な参戦によって戦況が変わり始めた。加えて、シスの司令官として参戦していたゲイヴ・ダラゴンの部下が自らを罵る親友アールバ・ザ・ハットを殺してしまった罪悪感により共和国に寝返り、共和国艦隊をサドウのもとへ導いた。
アールバの死
この一連のできごとによりシスの伝説的な幻覚魔術を使えなくなったサドウは、命からがらシス領域へ逃げ帰った。そこで彼を待っていたのは死んだはずのかつての宿敵ルド・クレシュだった。自暴自棄になったサドウは味方の戦艦をクレシュの旗艦に特攻させて味方共々クレシュを殺した。
最終的にサドウはヤヴィンⅣに逃げ延び、マサッシの奴隷たちに絢爛な寺院を築かせて余生を満喫した。
旧共和国の歴史家のジェダイ、ノスト=デュラルは、共和国のハイパースペース戦争の終わらせ方に問題があったと語っている。シス種族の絶滅を所望した元老院は、惑星コリバンでシスの民族浄化と文化破壊を行った。その時に生き残ったシスたちに植え付けられた共和国に対する憎しみは、のちに真のシス皇帝に利用され大銀河戦争に発展している。
→第四話に続く